じめじめと蒸し暑い真夏の夕暮れ。都内に存在する東都生物研究所に保管されていた謎の卵が突然孵化した。偶然研究室に居合わせた女性研究員は、卵から孵った生物に寄生され、そのまま行方をくらましてしまう…。数日後、彼女は研究所から近い高校・聖マリアンヌ女学園でピアノを弾く少女を発見し、不適に笑うのであった。聖マリアンヌ女学園に通う二人の少女、清水玲子と花園リカはともに音楽部に所属し、平穏な学園生活を送っていた。どちらかといえば目立たない存在ながらピアノの才能に満ち溢れた玲子と、ピアノの腕は平凡だが、学園に多額の寄付金を出してくれる裕福な家庭のリカ。音楽部顧問の女教師・加藤綾にとって二人の扱いは明確に違い、玲子は常々リカより目立ってはいけない、とそのピアノの才能を封印されてきたのだった。ある日、行方不明になった女性研究員が綾の前に姿を現し、綾を拉致する。校内にある資材置き場へと連れ込まれた綾は、もはや人格を失った女性研究員によってその腹を引き裂かれ謎の生物が寄生する第二の犠牲者となってしまうのであった…。古くからスコットランドに伝わる『悪魔を葬り去るための音楽』。それを奏でられる人間を見つけるまで謎の生物の残虐な殺戮行為は続く。そして、その標的は玲子とリカにも向けられたのだった…。